砥石について
天然砥石について
天然砥石の起源
京都で産出される天然仕上砥の成り立ちは今から2億5千万年前、太平洋赤道付近の深海底に1千年に1ミリメートルという気の遠くなるような時をかけて降り積もった火山灰や放散虫(海産プランクトンの一種)の遺骸などの堆積物が、地殻変動の圧力や花崗岩マグマの熱により変化し、海洋プレートの移動によって京都付近の地表まで運ばれてきたものとされています。
いわば悠久の時と地球のダイナミックな活動がもたらした宝物と言えるでしょう。
京都天然砥石の発祥は800年以上に遡るとされています。鎌倉時代の高尾の重要文化財・神護寺領絵図では「砥取峯」が図示され、又、日本における最も古い記録では奈良時代の正倉院文書(しょうそういんもんじょ)で青砥という記述が確認されています。
京都教育大学名誉教授 井本伸廣氏は「合砥は遠い深海底で誕生し水と火のはからいで創られた京の逸品」と、京都新聞丹波版「丹波山地の砥石から」(2013年3月4日)の記事中で述べられました。

天然砥石の種類
天然砥石は砥粒の精粗によって大きく『荒砥』『中砥』『仕上砥』の三種類に分けられます。
京都府下で採掘される天然砥石は『中砥』と『仕上砥』の二種類で、仕上げ砥石は人や刃物に『合わせる石』という意味で『合砥(あわせど)』という別名で呼ばれております。
中でもかつて大内で数多く産出されていた『本山合砥』と呼ばれる仕上砥は、中砥研ぎをした後に刃面から条痕がなくなり光る程度に研くもので、砥粒が非常に細かく硬度が高めで、全国的にも最も良質な仕上砥として高い評価を頂いております。
天然砥石の特徴
切れ味効果 | 鋭く繊細な切れ味 |
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永切れ効果 | 良好な切れ味を維持 |
防さび効果 | さび難く、長期間の保管が可能 |
研ぎ肌効果 | 天然砥石ならではの美しい仕上がり |

蔵入り砥石

砥取家の玄関にある敷戸前。 高さ、幅約1mの巨大原石です。

昔は蔵に収められた天然砥石が高級品として扱われていましたが、その名残として、「蔵出し」という言葉が現在でも使用されています。
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