砥石について
丸尾山の天然砥石
丸尾山の起源
亀岡市北西、いわゆる『西物』の天然砥石山は比較的新しく、明治なってから採掘が始まりました。付近3km以内には本口成り、合石成りの抗口が大小含めて500程度ありました。
その中の一つが現在、砥取家で採掘を行っている丸尾山です。丸尾山では本口成りの仕上砥石を採掘しております。

丸尾山の歴史

三代目・正次と四代目・要造が昭和50年代に採掘を開始。本口成りの巣板層と戸前層を持ち、現在も良質な仕上げ砥石を採掘している。
現在では非常に少なくなった本格的な坑内掘りを行っており、坑内に種類毎の幾つもの抗口を持つのが特徴。
丸尾山天然砥石の地質
丸尾山では、全ての層から上質な原石が採れます
天上巣板・八枚・千枚・戸前・合さ(カラス)・大上・敷巣板を採掘しています。
全層が揃っていてどの層からも上物が採れる天然砥石山です。
天上巣板層があることを確認しました!
天然砥石の砥取家では、今まで沢山の砥石山から様々な合砥を掘り出してきました。現在、採掘中の丸尾山は新しい丹波系の本口成りの天然合砥の砥石山です。 ホームページ開設以来、天上巣板(内曇)のご要望が多く寄せられていたましたが、残念ながらまだ天上巣板(内曇)の層には未だ達しておりませんでした。
そこで、2006年11月より急遽地表から天上巣板への最短距離に掘り進み、天井巣板の上部に到達しました。
丸尾山に天上巣板の層が存在することを確認できました。
天上巣板層 少量でありますが硬口・軟口揃っています(2010.1)

天上戸前の原石

天上戸前いきむらさき(厚板)

天上戸前いきむらさき(薄板)

天上戸前いきむらさき(カラスぎわ)
※むささきが死んでいる
丸尾山天然砥石の特徴
丸尾山砥石の真価は、その研ぎ味、切れ味、微密な仕上がりであるが、昨今天然物として希少価値や風格(色、姿、大きさ、特に厚み)でも評価を頂いております。
- 本口成りで、敷巣板、大上、合さ、戸前、千枚、八枚、内曇と各層揃い、細かく分けると30種類あります。
- 板並が良く厚みのある原石が採れ、大判が取れます。 八寸・尺の大鉋用などの別注も可能です。
- 砥粒(粒子)が細かく、粒度は#7000~#9000となります。天然砥石は砥ぎこむほど細かくなり、#20000レベルの粒度となっていきます。
- 硬度は、「普通」~「超硬め」まであり、強い研磨力があります。(名倉のいるような超硬めはありません。)
- 他の山には少ない粒子の均一性が高く滑らかな研ぎ感を味わうことができ、天然仕上砥石ならではの研ぎを堪能できます。
- 包丁・鉋・ナイフ・彫刻刀・鋏などあらゆる刃物、鋼(炭素鋼・特殊鋼・ハイス鋼・特殊粉末鋼)に対応できます。
- 刃物との相性を合わせて頂くと、肉眼で見えない程度に研ぎ傷を消すことができ微密な刃が付きます。
- 研ぎ出しが早く、良い刃が早く付く実用的な砥石で、1000/1mmレベルでの鉋の薄削りの最終仕上げも可能です。
丸尾山天然砥石の種類
包丁・鉋・鑿・剃刀・ナイフなどあらゆる刃物に最終仕上げに向いています。
【巣板】
吸いつくような研ぎ感で強い研磨力

種類 | 白巣板・黄色巣板・卵色巣板・黒蓮華・敷内曇り等 |
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色・模様 | 白・黄・卵色・黒・灰青・蓮華・紅葉・ナマズ |
特徴 | 非常に砥ぎ易く早く仕上がり、長切れする。地金の研ぎムラが少なく目詰まりしにくい。料理人さん、大工さん等の現場用に最適 |
【合砥】
目が細かく滑らかな研ぎ感

種類 | 大上・巣板ぎわ大上・合さ・本戸前・天上戸前・敷戸前・八枚・千枚 |
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色・模様 | 色物・梨地・八枚風・浅黄・ナマズ・うぐいす・いきむらさき・黄・グレー |
特徴 | 巣板に比べて硬度が高めで粒子がより細かい石が多く、微密に仕上がる。最終仕上げに向き、鉋の薄削りにも対応する |
【天上巣板】
刀剣研磨用の必需品

特徴 | 仕上がりは内曇効果があり、刃紋を浮き出させる。刀剣研磨用の内曇は、良品が希少となった今、世界に誇る伝統文化、日本刀の存在に欠かせない必需品となっている。 |
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丸尾山天然砥石の硬度
硬度 | 一般例 | 丸尾山砥石 |
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軟らかめ | 合石成り | |
やや軟らかめ | 合石成り、本口成り | 天上巣板(内曇) |
ふつう | 本口成り | 白巣板、白巣板巣なし、黄色巣板、大上、合さ |
やや硬め | 本口成り | 白巣板、白巣板巣なし、卵色巣板、黒巣板、黒蓮華、黄色巣板、大上、新大上、合さ、合さ(カラス)、戸前 |
硬め | 本口成り | 敷内曇、蓮華巣板、紅葉巣板、新大上、戸前、千枚、八枚、天上卵色巣板、内曇 |
超硬め | 東物の本口成り | 八ノ尾、御廟山、大谷山で採掘しております |
※砥石の硬度は、研ぎ手、研ぐ刃物の鋼、また同じ層でも一本一本微妙に感じ方が違います。
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