天然砥石と人造砥石 | 砥取家(ととりや)【京都・亀岡】

天然砥石と人造砥石

天然砥石と人造砥石の切れ味の違い

どちらで研いでも同じ角度の刃先であれば、基本的に同じ切れ味――だが?

人造砥石は比較的早く砥げるが、研磨力があり過ぎて返り(刃返り、バリ)が出来やすく、取れにくい為、刃先が鋭利に仕上げにくい。対して天然砥石は研磨力が控えめな為、比較的研ぎに時間を要する反面、返りが出にくく刃先が鋭利に仕上げやすい。又、鋼材の軟らかい部分から優先的に研ぎ下し硬い部分が表面上に揃うため、刃持ちがよく長切れする。

つまり、返りやバリが出にくい天然砥石は刃先を鋭利に仕上げやすいことにより、結果的に人造砥石に比べて優れた切れ味と長切れの実現が可能となる。

天然砥石と人造砥石の研ぎ上がりの見た目の違い

人造砥石は鋼も軟鉄も強力な研磨剤で均一に研磨するため、光り方や物の映りに違いが少ない。又、粒子が尖っているため地金、鋼の傷が消えないことが多い。対して天然砥石は不均一粒度・成分なため、鋼・軟鉄で反応が変わる。研ぎ下すペースや研ぎ傷の入り方、光り方で違いが出やすい。

天然砥石と人造砥石の番手(#)の違い

人造砥石は10000~数万の番手があるものの、メーカ毎に一定ではなく混入される研磨剤により深い傷が生じるものがある。対して天然仕上げ砥石は#7000~#10000の番手と言われているが、砥ぎ始めると徐々に砥粒が粉砕され、より細かくなることにより均一な研ぎ肌に仕上がりやすい。研ぎは一概に番手では表現できない。

天然砥石と人造砥石の番手(#)の違い

天然砥石、人造砥石のほぼ同様の粒度の比較であれば天然砥石による仕上げの方が錆にくい。人造砥石では天然砥石の1.5倍から2倍程度の粒度で仕上げなければ錆びやすい。

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